川相商事株式会社でキャリアコンサルタントをしております宮脇 和孝と申します。

ここでは『大学卒で工場勤務は「アリ」なのか?』について書かせていただきます。

  

大学卒で工場勤務は「アリ」なのか?答えは「アリ」です。

「工場の仕事は高卒や高専卒の人が就く仕事」

大学卒で工場勤務の製造職に就くことはもったいない、と言う方がいます。

その理由は

○給与面:他の業種と比べると給与が低い

○スキル面:製造業で身につけたスキルを他業種転職時に生かしにくい

○キャリア面:キャリアの選択肢が少なく、キャリアプランを描きにくい などからです。

給与面については、「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、大学卒25~29歳の平均が283.9千円に対し、製造業同区分は249.8千円と平均を下回っており、他業種と比べ給与は低い傾向にあることがわかります。

スキル面では、製造職で働くことで身につけられるスキルはたくさんありますが、製造業でしか活かせないものが多く、汎用性が低いことから、ジョブチェンジを図る際に他業種では評価されにくい傾向があるといえます。

キャリア面は、一般の製造職からキャリアアップを目指す場合、キャリアの幅が限定的で、昇進を重ねて目指す最高位が工場長となるケースが多いです。他の業界や職種ではさまざまなキャリアパスが存在するため、工場勤務はキャリアの選択肢が少ないといえるでしょう。

それでもなぜ大学卒で工場勤務が「アリ」なのでしょうか?

キャリアコンサルタントが考える仕事の選び方

就職活動中の大学生のみなさん、「何を手に入れたくて」仕事や企業を選んでいますか?

高い給与でしょうか?福利厚生の手厚さでしょうか?

給料や福利厚生が良ければ、自分が得意でないと思う仕事や、興味が薄い業種でも、長年がまんして働き続けられそうですか?

米国の心理学者J・L・ホランドは、「人間のパーソナリティ(性格)」と「職業(働く環境)」は6つのタイプに分類される、としています。

①現実的物、道具、機械や動物等を対象とした明確で、秩序的かつ組織的な操作を伴う活動を好む
②研究的  物理的、生物的、文化的現象の理解やコントロールを目的とした、それらの観察、言語的記述、体系的、創造的な研究を伴う活動を好む
③芸術的芸術的な形態や作品の創造を目的とした、物、言語、人間性に関係する素材の操作を伴う活動を好む
④社会的情報伝達、訓練、教育、治療、啓蒙を目的とした他者との対人接触を伴う活動を好む
⑤企業的組織目標の達成や経済的利益を目的とした他者との交渉を伴う活動を好む
⑥慣習的組織や経済的目標の達成を目的としたデータの具体的、秩序的、体系的操作を伴う活動を好む

もう少し掘り下げて見てみると、

例えば①現実的な職業とは

物、用具、機器類、動物などを、明瞭で、順序良く、系統的に取り扱うことが求められ、また、その機会の多いことで特徴づけられる」もので、

現実的タイプの性格とは

• 機械や物に対する関心が強い

• 対人的、社会的出来事への関心は乏しい

• 機械を操作したり、物を作る能力に恵まれている

• 対人接触が不得手で、それを必要とする仕事を好まない

といった特徴があります。

もし、現実的タイプの人が、給料が高いからといって他者との対人接触を伴う活動が求められる④社会的な職業についたらどうなるでしょう?長く続けられそうにありませんね。

ホランドは「人は、自分の持っている技能や能力が生かされ、価値観や態度を表現でき、自分の納得できる役割や課題を引き受けさせてくれるような環境(職業)を求める」と述べています。

つまり、自分の持つパーソナリティ(性格)に合った仕事を選ぶことが何よりも重要であると思います。

あなたが就活で応募している職種は、あなたのパーソナリティに合致していますか?

もし、企業名や待遇面を主体に応募企業を選ばれている方は、ぜひ検証してみてください。

「どのスタートラインに立つか」ではなく、「どうスタートを切るか」が大切

「VUCA」と呼ばれる先行き不透明な現代。

入社できるものなら従業員数が多く、経営基盤の安定していそうな大手企業がよい、

そうお考えの方も多いのではないでしょうか?

大手企業に就職するには、就職活動で狭き門を突破しなければなりません。

大手企業=人気企業ですので、全国から多くの学生が入社を志望するためです。

大手企業の内定を勝ち取り、あなたが望む「スタートライン」に立つことができたら、

いわゆる「勝ち確」でしょうか?

ここ数年、就職活動では売り手市場が続いていますので、志望する企業に入社できた方は多いと思いますが、大卒者の3年以内離職率は34.9%に及びます。

就活戦線が厳しかった時代と比較してもさほど差がなく、非常に高い水準にあります。

みなさんの先輩の中には、せっかく大手企業に入社できたのに、早々に「退社」を選択している人がいる、ということです。

また、日本でも有数の大手企業が大規模なリストラを断行しています。

収益が黒字でも、組織の構造改革として数千人規模の従業員を削減しているのです。

「大手企業に入社できたから安心」会社に自身のキャリアを依存する考え方の人こそ、将来リストラの対象になる可能性が高いとも言えます。

川相商事には、大手企業からスカウトがかかり、社員に登用された人が多数います。

(登用されると当社にとっては戦力ダウンで正直辛いのですが、企業様も本人も双方が希望してのことですので快く送り出しています)

特段、偏差値の高い学校の卒業生や、工業を専門的に学んだ学生、生徒ではありません。

みんな一般の大学、一般の普通科高校の卒業生です。

つまり、当社に入社し、社会人として働きつづけ、大手企業から「欲しい」と思われる人材に成長した、といえます。

志望企業の内定がもらえなかった方、就職活動がうまくいっていないと感じている方は悲嘆にくれているかもしれませんが、大切なのはこれからです。

社会人となってどうスタートを切るか、仕事を通じて成長し、社会に貢献できる人材になれるかが重要なのです。

働くことは辛いのか?

仕事帰りのご家族から「あー疲れた」「しんどい」「もういやだ」仕事への不満や愚痴を聞くことがあるでしょう。

そんな姿を見ると「働くことって辛そう」これから迎える社会人生活に負のイメージを感じているかもしれません。

当社の職場見学会に参加された方から「働くことは辛いですか?」と問われることがあるのですが、

私は「働くことほど楽しいことはない」と答えています。

以前の日本の雇用慣行においては、55歳や60歳で定年を迎え、職業人としての役目を終えていましたが、この「人生100年時代」では定年後も働き続けることが普通になりました。

学生時代は高校生なら3年、大学生なら4年と期間が決まっており、終わりが想像しやすいので、少々辛いことがあっても我慢するという選択が可能かもしれませんが、社会人生活の終わりはずっと遠い未来で見通すことができません。

いわば「ゴールのないマラソン」のスタートを切るのと同じです。

働くことが、ただただ辛いだけのものだとしたら、何十年もの間、続けることができると思いますか?

働くことが「楽しい」から続けることができるのです。

もちろん仕事ですから辛いこともあります。

思うような成果が出せなかったり、思わぬトラブルに巻き込まれたりすれば本当に辛いです。

しかし、辛いこと以上に楽しいことがたくさんあります。

ご家族が仕事の不満や愚痴を言うのは、あなたに慰めてほしい、ほめてほしいからです。

りっぱな家族孝行ですから聞いてあげましょう(笑)

生活の糧となる給料を手に入れるためには働かなくてはいけませんが、手にするお金以上の「何か」を手に入れているはずです。

あなたにとっての仕事の楽しさ、働く喜びとは何なのか?

この答え探しの旅を楽しみながら、日々のお仕事と向き合われることを願ってやみません。

あなたが川相商事を応募すべき理由

今年度、川相商事で募集するのは工場勤務の製造職です。

次のような方に応募していただきたいと考えています。

●製造職に就きたい方、興味がある方

川相商事はメーカーではありません。

人材派遣・業務請負というかたちで、多くの製造業のお客様にご活用いただいています。

そのため、「製造」とひとくくりで表現できないほど、仕事は多種多様です。

一人でする仕事もあれば、複数の人数でチームワークを活かして行う仕事もありますし、

手先を使ってものを作る・身体全体を使って重いものを運ぶ・機械の操作やメンテナンスをする など

あなたにぴったりはまる仕事が川相商事のどこかに必ずあると考えています。

ものづくりは楽しいお仕事です。

製造職は面白そうだなとお感じの方はぜひご応募ください。


●身体を動かすことが好きな方

製造職は一日中デスクに座ってする仕事ではなく、立って身体を動かす仕事です。

ずっと机に座っているのが辛い方、身体活動が得意な方はぜひご応募ください。


●もくもくと作業をするのが好きな方

製造職は基本的にものと向き合うお仕事ですので、一日中だまっていても平気な方、人と話すことに苦手意識をお持ちの方に向いています。

人とかかわることよりも、ものと向き合う働き方を望まれる方はぜひご応募ください。


●人とかかわって仕事をするのが好きな方

製造の仕事はチームで活動することが多いです。

チームの中心になってメンバーに働きかけたり、お客様との窓口となって交渉したり、人とかかわることが中心の仕事もあります。

あなたのコミュニケーション能力を発揮して働きたい方はぜひご応募ください。


●就職活動に疲れた方

●やりたいことが見つかっていない方

●社会人となって働くことをまだイメージできない方

川相商事の事業定義は「働く喜びを感じる人を創る」です。

入社されれば人材育成部が新入社員研修であなたの成長のために熱心にかかわります。

また、社内にはキャリアコンサルタントを複数配置していますので、あなたの話を聞いてくれるでしょう。

就活が思うように行かなかった、社会人への準備がまだ不十分だと感じている、

でも就職浪人するわけにもいかず、来春には働かなければならない

そのような方も大丈夫です。

大切なのは「どのスタートラインに立つか」ではなく、「どうスタートを切るか」です。

川相商事で社会人のスタートを切って、「働く喜び」を一緒に探してみませんか?